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法人設立10周年を迎えました

2020年05月19日  ,

本日、2020年5月19日、NPO法人 おかえりは法人設立10周年を迎えました。

我が家にやってきた妹(里親委託児童)との出会いから生まれたこの活動、多くの方に教えていただき、学ばせていただきながら今日まで歩みを進めることができました。
「おかえり」に関わるすべての方に心より感謝申し上げます。

 

「おかえり」は、里親家庭や児童養護施設等を巣立った人の第二、第三の「実家」のような存在になればと考えています。

「おかえり」に行けば、いつもの人がいて、その日の気分で選んだマグカップにおいしいコーヒーを入れてもらい、手作りのお菓子を食べながら、いろんな話をする。その中で、困りごとなど出てくれば「with」に相談できる。そして、明日への活力をつけて「また来るわ~」とそれぞれの地域へ帰っていく。

私たちが目指しているのは、このように何かあったときはもちろん、何もなくてもフラッと立ち寄れる居場所の一つになることです。

 

活動を始めて10年が経ち、これまで里親家庭や児童養護施設等を巣立った人とのつながりも、一人、また一人と広がっていきました。

巣立った人たちが自立し、安心して暮らせるようにと模索しながら歩みを進める中で、少しずつ、思い描くカタチへと成ってきているようにも感じています。

 

現在は、新型コロナウィルス感染症の拡大防止のため、すべてのイベントの開催を控えています。これまで当たり前にできていたこと、やってきたことを控えている今、できることを一つずつ取り組んでいます。

里親家庭や児童養護施設等で暮らす子どもたちは巣立った後、それぞれの地域で生活を営んでいきます。その地域で彼らが生きやすいよう、一人でも多くの方に知っていただき、あたたかい人の輪が広がっていくよう、居場所作りとともに今後も啓発活動にも力を入れていきたいと考えています。

 

そして、その先にあるのが、「30年後の未来」です。

「里親家庭や児童養護施設等を巣立った人たちやその子どもたち、家族、里親さんや施設の方々、「おかえり」メンバーや地域の方々・・・たくさんの人が「おかえり」に集まって、子どもたちが走り回っているのを大人たちはあたたかい目で見守っている。そして、社会的養護が特別なことではなく、一つの形として社会の中に受け入れられ、笑顔が溢れている。そんなあたたかい未来をつくりたい。」
この未来を目指して、一歩、一歩、今できることを精いっぱい努めていきたいと思います。

 

「おかえり」の活動を始めた頃、里親家庭や児童養護施設等を巣立った人たちの自立を考えた時、真っ先に思い浮かんだのが、「居場所」「心の拠り所」「絶対的な安心感」というキーワードでした。活動する中で、それに加えて「変わらない人、変わらない場所」が必要だと思うようになりました。

何かあった時や困った時に「おかえり」があるという心の拠り所、いつでも「ただいま」と帰れる場所、どんな時でも「おかえり」と迎えてもらえる居場所の一つとして機能すること、そして、「おかえり」に言えば大丈夫。「おかえり」に行けば何とかなる。そう思える絶対的な安心感を得られることで、里親家庭や児童養護施設等を巣立った後も自立し、安心して暮らせる環境を整えていけるのではないかと考えています。

心の拠り所があることで、心が安定し、自分の好きなこと、興味のあることを我慢したり、諦めたりすることなくチャレンジすることができると考えます。楽しい未来、楽しい毎日を心から楽しく、そして幸せに暮らしてもらいたい。これが「おかえり」の原点であり、原動力、そして願いです。

 

日々模索しながら、今後も里親家庭や児童養護施設等、行政機関、関係機関、企業、地域の方々と一緒に、そして何より里親家庭や児童養護施設等から巣立つ・巣立った人たちと一緒に歩みを進めていきたいと考えています。

今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

 

 

2020年5月19日

NPO法人 おかえり
理事長 枡田 ふみ

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