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「自立サポートセンター with」5周年を迎えました。

7月1日。

奈良県委託事業 子どもの「自立」サポート事業 を受託し、「自立サポートセンター with」を開所して5周年を迎えました。
「with」に関わるすべての方に心より感謝申し上げます。

 

「with」では、「生活のサポート」「学びのサポート」「はたらくサポート」の3つを柱に、さまざまな相談に応じています。

また、里親家庭や児童養護施設等で暮らす中高生や巣立った人を対象としたSST(巣立った後の生活に必要なスキルを学ぶ勉強会)や「おかえりサロン」(自由におしゃべりして楽しく過ごしたり、悩みごとを相談して心の疲れを癒したりできる居場所(心の拠り所))の開催、自助グループ「奈良県社会的養護の当事者団体 明日天気になぁれ」の育成支援、児童養護施設職員向け交流会を開催しています。※現在は、新型コロナウィルス感染症の感染防止対策のため、オンラインで開催しています。

 

さまざまな活動を通して、里親家庭や児童養護施設等で暮らしているときからのつながり作りにも力を入れ、巣立った後もつながっていけるようにと考えています。

実際に、中高生の頃にSSTやサロンに参加してくれていた人が巣立った後もつながり、活動に参加したり、学校や仕事の休みに顔を出してくれることもあります。時には、一緒に当時を振り返りながら思い出話に花を咲かせることも…(*^^*) こうした一つひとつのつながりがとてもうれしいです。

 

奈良県委託事業 子どもの「自立」サポート事業 を受託したことで、それまでボランティアで運営していた活動も職員体制をとり、常時事務所に職員が配置できるようになりました。

今から10年前、「おかえり」を設立した当初より、「5年で事業化」と言い続けていました。
それは、初めて我が家にやってきた妹(里親委託児童、以下妹)が高校2年生の頃(2009年)と将来のことや我が家を巣立った後について話していたことからはじまります。
巣立った後に我が家に頼ることを遠慮していた妹が、いつでも気兼ねなく帰ってこれるように。そして、どんなことでも相談できるように。そのために、「おかえり」と言える場所を作りたい。「これがふみ姉の仕事やから」と言いたい。その思いからでした。

もう一つ、私は当時、里親家庭や児童養護施設等を巣立った後の支援は当たり前にあると思っていました。それがほとんどないと知ったときの衝撃は大きく、その経験から「おかえり」の設立につながっていったのですが、奈良県とともに巣立った後の支援を考えていきたいという思いから、事業化を目指しました。

 

当時、巣立った後の支援について、今より耳にする機会は少なく、さまざまな方に時間をいただき勉強しながらも、「本当に事業化できるのだろうか」「本当に必要なのだろうか」「こうして歩みを進めていいのだろうか」と先の見通しが立てられないことに不安や焦りを感じることも少なくありませんでした。でも、そんなときには必ずと言っていいほど、支えてくださる方々の存在や里親家庭や児童養護施設等で暮らす子どもたちや巣立った人たちとの出会いがありました。

そうして「おかえり」設立からちょうど5年を迎えた2015年に奈良県より事業を受託し、活動の基盤が整ったことはもちろん、里親や児童養護施設等職員、行政機関や関係機関職員、企業、地域等、そして何より里親家庭や児童養護施設等で暮らす子どもたちや巣立った人たちと時間をともに過ごす機会が増え、つながりもより広がっていったように思います。

 

「with」という名前には、里親家庭や児童養護施設等で暮らす子どもや巣立った人と「一緒に」という意味と、里親や児童養護施設等、行政機関、関係機関、企業、地域等、社会全体で「一緒に」里親家庭や児童養護施設等で暮らす子どもたちが安心して巣立っていけるように。そして、巣立った人たちが自立し、安心して暮らせる社会作りをしていきたいという想いが込められています。

 

里親家庭や児童養護施設等で暮らす子どもたちが安心して巣立っていけるように。そして、巣立った人たちが自立し、安心して暮らせるように。
「30年後の未来」を目指し、一歩、一歩、今出来ることを精一杯努めていきたいと思います。

一人でも多くの方に知っていただき、あたたかい支援の輪が広がっていくように…今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

 

ふみ

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