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「うちは一人じゃない」

2010年09月04日  ,

こんばんは。

今日の16時より、NHK教育テレビで《うちは一人じゃない》というドキュメント番組の再放送が放送されました。

一昨日、この番組が放送されることを教えていただき、家族で見ました。

ある施設で生活する女の子にスポットを当て、その女の子が高校2年生から高校3年生・・・高校を卒業し、施設を巣立っていくまでの500日を追ったドキュメント番組でした。

女の子は、家庭で虐待を受け、6年前に施設に来ました。

そこで、《反応性愛着障害》と診断されました。

人は、親との絆を基に人とのつながりを作っていくそうですが、親に十分な愛着を与えてもらわなかったため、人とのつきあい方がわかりません。どうしようもない不安や寂しさに襲われた時に発散の仕方がわからず、大声を上げたり、時には暴力を振るってしまうこともあります。

そんな時、施設の方々は、とことん向き合われます。

《逃げないよ》《見ているよ》と話しかけ、《いてくれてありがとう》と優しく手をさすります。

《反応性愛着障害》と診断された場合、親に変わる誰かが絆を作ることが必要です。

女の子には、信頼している先生がいます。
学校のこと、おしゃれのこと、リラックスしながらうれしそうに話す姿を見ていると、仲のいい様子が伝わってきます。

高校3年生になり、巣立った後のことを考えるようになりました。

女の子は不安や葛藤が爆発し、ある日学校で問題行動を起こしてしまいます。

部屋に閉じこもり、学校に行けない日が続きます。

「ここで投げ出せば大きく後悔する。でも、人と関わるのが恐い」 「どうにかしたいけどどうしたらいいかわからん」 女の子の言葉から切実な心情が伝わってきます。

問題行動から2ヶ月後、女の子は前を向いて進み出しました。

「うちのために動いてくれた」 「諦めず声をかけてくれた」 「応援してくれる人がおるからできるとこまでやっていこうかな」 「みんなのおかげ」

女の子の口から感謝の気持ちが溢れます。柔らかい表情をしています。

つらいことがあっても頭に先生方の顔が浮かんで乗り越えられるようになりました。

そして、少し遅れはしたものの高校卒業!!

自分のトラウマに勝ったのです。

女の子ががんばれたのは、どんなときでも寄り添い、一緒に考えてくれた先生方と夢のおかげ。

女の子には夢があります。

【保育士になりたい】

「家では一人だったけど、児童相談所では保育士さんが横でトントンしてくれて安心できたから。安心させられる保育士になりたい」

そんな夢を叶えるべく、苦しみながら高校を卒業し、短期大学進学を実現しました。

施設を巣立って、一人暮らしをするアパートへ来ました。

先生も一緒に荷物を運び、片付けてくれます。

片付けが終わり、いろいろと話して帰っていかれました。

先生が帰られ、ぽつんと一人になった部屋で見つけたのは、表紙に《おうえんノート》と書かれた、先生からのプレゼントでした。

ノートには、たくさんのふせんが付いています。中をめくっていくと、《風邪をひいたときや熱が出たとき》などの対処法や《簡単手料理レシピ》、《冠婚葬祭のときのマナー》など、他の先生方にも考えてもらった、たくさんの知識が細かく全て手書きで記されていました。

そして、最後には先生からのお手紙が。

女の子に負けないくらい号泣しました。

【一人じゃない】って心に治まったんだな。と感じました。

その様子を泣きながら見ていて、『あぁ、これかぁ』と思いました。

その子にどこまでも寄り添い、その子の幸せを願い、応援する。

上の妹が巣立っていくまであと半年。私に何ができるだろう。

【大丈夫、一人じゃないよ】

この思いが《生きる力》につながり、幸せになってくれるよう、願っています。

ふみ

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